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町衆に守護されてきたお堂とその周辺(その19)    2020年12月03日 up
  (注記は、村雀 渉さんです)

 以下6件は、たまたまのついでの撮影。



photo192 上京区今出川・堀川交差点南西、堀川河畔。石仏二体。




photo 193 舟岡山西 ・紫野雲林院町 石仏2体。





photo 194 舟岡山西 ・紫野北藤ノ町 卍4箇所。お堂下と柵に各2.





photo 195 中京区中町通り。三件のうちの1。北・台座卍は白タイル。

 



photo 196 中町通・ 中 三件のうちの2。玄関前。




photo 197 中町通・南 三件のうちの3。「和風フレンチレストラン」前。三色旗と卍。


上京区以外は分布密度が低く。小路の奥にあるなど発見が難事です。
仏壇同様、異形はなく大体どこも同じようです。
(以下7点は所用のついでに散見したもの)


198:清荒神・荒神口付近   提灯「延命地蔵大菩薩」。




199:高瀬川・大黒橋の東  石仏。




200:高瀬川・瑞泉寺  「豊臣秀次と処刑されたその一族、殉死者の墓」の瑞泉寺 引導地蔵堂。




201:高瀬川・ 瑞泉境内地蔵堂。  付近の中島町より移転。




202:今出川大宮南・薬師町  台座に転法輪。




203:今出川大宮南・北之御門町  ビルの壁内。




204:今出川大宮南・石薬師町  裳階つき屋根。横向き。掲示「花を持っていかないで」。

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 歩いている割には見つからないですね。先斗町通など歌舞練場入り口に一件だけです。少しまとまったら追って報告いたします。


205:千本今出川・浄土院前 石仏 太閤北野茶会の折立ち寄ったら白湯しか出さなかったので、「湯沢山茶くれん寺」の異名のある寺。大きなよだれかけ。

 
206ー1:千本今出川 ・ 溝前町             206ー2:溝前町化粧地蔵クローズアップ
   上京区五辻通 溝前町 民家玄関前、横長。化粧地蔵二体。


207:北野天神 ・天神町南  玄関前、あわや見逃す所。


208:北野天神 ・天神町北

 
209ー1:北野天神・翔鸞小付近          209ー2: 翔鸞小付近 化粧地蔵・右クローズアップ
                化粧地蔵。019のような厚化粧の地蔵二体。

O.I の独り言
 関東に住む私は、「お地蔵さん」へのイメージは「立像」「野ざらし」です。現実に住んでいる地区では、何体かの地蔵尊が「市の文化財」に指定されており、京都のような立派なお堂に安置されているものがないわけではありません。しかし、この近辺のお地蔵さんは、雨露を凌ぐ「建物」に安置されているという感じで、前後左右の壁があるのではなく、「風は通り放題」の「小屋」のような感じで、お堂という感覚は少ないです。当地にあるお地蔵さんは、「六面」の像がいくつかあるようです。江戸時代から交通の要所でもあったからでしょうか。ですから当地では、住宅に隣接している所での地蔵尊というのは、見かけません。
 当地でも「地蔵信仰」による「講」があったようですが、「庚申信仰」の講もあり、その講が現存しているところもあるようです。当地の江戸時代からある仏教寺院も、「地蔵信仰」「庚申信仰」の人々と重なる形で檀家・信徒で護持されたわけで、信仰の根底にあるのが「現世祈祷」の精神です。「自分にとっての幸福を願い、不幸を嫌う在り方」は、実は他者との共同関係を損なっていく原因なのですが、そういう意味で「不純」と申しました。そのことは、「不純」といえば「不純」なのでしょうが、そういう「不純」の要素を持ちながら、なおかつ、その「不純」を通して、「純なるもの」を求める精神が人間には時として起こってくる──そのことに意義を見出したのが仏教なのではないかと、日本の仏教坊主である私は思っています。


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